目的  高度80 km から110 km の大気温度を測定することにより、この高度領域の大気温度 変動現象を解明する。 特に、太陽風エネルギーがどのように散逸していくかを、温度変動と風速変動に着目して明らかにする。

設置場所 ノルウェートロムソEISCATレーダー観測所(北緯69.6度、東経19.2度)

概要説明 地球の超高層大気(高度90kmより上)では、地球表面と比較して低密度(百万分の1以下)ながらも、 大気は存在しています。下部熱圏と呼ばれる高度90kmから130kmの高度領域は、 宇宙と地球大気をつなぐ遷移領域とも言え、いろいろな興味深い物理現象が起こっている。 下層大気から伝搬してくる大気重力波、大気潮汐波は、この高度領域で散逸し、 大気ダイナミクスに大きな影響を与えています。一方で、太陽風エネルギーは、磁気圏を経由して、 高緯度熱圏に進入し、散逸しています(例 オーロラの発生)。このように、高緯度下部熱圏は、 下層大気や磁気圏からのエネルギー注入により、非常にダイナミックに変動しています。 これまで我々は、レーダーを用いて、大気風変動に着目してこの高度領域の現象を研究してきました。 この研究のさらなる進展のために、大気温度の測定が必要であり、ナトリウムライダーを新たに導入しています。 このナトリウムライダーと既存の観測装置との連携により、重要な物理パラメーターが精度良く測定でき、 オーロラに代表される、磁気圏−電離圏−熱圏結合の研究の解明が大きく進むと考えています。

ナトリウム層   高度80 kmから110 km の領域には、ナトリウム原子が多数存在しています。このナトリウム原子は波長589 nmの光を大きく散乱します。この性質を用いて、この高度領域の大気温度を測定することができます。

ライダー   ライダーは光のレーダーです。地上から強い光を上空に打ち上げて、上空から散乱される光を地上で受信します。受信には、大きな口径の望遠鏡や弱い光を受信できる光電子増倍管(フォトマル)が用いられます。

レーザー発生(589 nm )の原理  ネオジウムヤグ結晶から発振する2波長(1ミクロンと1.3ミクロン)の光を合成すると、発振します。これは自然界の偶然(奇跡)です。




作業記録(写真)

(1)コンテナハウスの設置  ライダーシステムは、3つのコンテナハウスに収納されます。 この設置に作業の記録です。

(2)日本でテスト観測   トロムソに設置する準備段階として、理研(和光) にてテスト観測を行いました。

(3)ライダーの設置   トロムソでの設置記録です。なかなか大変でした。

(4)ライダー観測   2010年9月29日からトロムソにてついに観測スタート。夜間にオレンジビームが輝きます。

(5)60cm望遠鏡の設置   2019年10月10-11日に梱包を解き、コンテナAに搬入しました。



LIDAR data

Publications (PDF)


コラム
ライダー用コンテナを設置せよ!〜2009年10月〜

ライダーテスト観測成功!〜2009年11月〜

北極域超高層大気の温度変動に迫る〜新ナトリウムライダー〜  STEL Newsletter No. 58

New sodium lidar at Tromsoe, Norway TG4 newsletter No. 5

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