センサ組み立てと動作試験

前述のようにセンサ内部は数100系統の信号処理のため、ポリイミド製のフレキシブル基板 を使うなど、限られたスペースの中で複雑な配線・基板配置となるため、本格的な基板設 計を行う前にモックアップ基板を用いたセンサ組み立てテストを行い、問題なく組み立て られることや配線上のコネクタ位置や配線長についても問題ないことを確認した(図8)。

Figure 4.9: プラスチックシンチレータ構造の組み立て試験
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棒状のプラスチックシンチレータをどう積層するかというのも大きな問題である。反射材 としてシンチレータで発生した光を効率よく集光するためのアルミ蒸着シートを巻き、5μ mの極薄の両面テープで固定する方法をとっている。今回16本ずつの束を8層構造として202 年11月に全て手作業にて組み立てた。図9に積層したプラスチックシンチレータを示す。

Figure 4.10: 積層プラスチックシンチレータの組み立て
Image plascinbar_1layer Image plascinbar_8layer

さらにJAXAが要求する外形寸法10 cmx15 cmx15 cm(衛星への取り付け部分やネジ頭含む包 絡域)という狭い領域にセンサ全体を収めるため、センサ筐体や構造部品をアルミニウム合 金5052で設計・製作した。模擬基板を使用して組み立てられるかというテストを行い、問 題がないことを確認している(図10参照)。ただし、ネジ位置などいくつかの筐体に問題 があったので次のバージョンで修正する予定である。今後も引き続き、基板の動作試験確 認後、センサを組み上げ、システム全体としての・動作確認試験・性能評価を行う。

Figure 4.11: センサ筐体の組み立て試験
Image sensor_internal Image chubusat_vs_sensor