宇宙線研究部

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宇宙線は、宇宙から地球に降り注いでいる自然の放射線です。宇宙線の主成分は陽子であり、電子や原子核などの荷電粒子や、ガンマ線などの高エネルギー光子 やニュートリノも含みます。宇宙のどこかで生まれた宇宙線は、星間磁場や太陽・地球の磁場による影響を受けながら地球へ到達します。

study01_1.png宇宙の彼方から、太陽から地球に届く宇宙線。高エネルギー放射線として地球にさまざまな影響を与えているほか、宇宙や素粒子の研究手段として大きな役割を果たしている。
(画像提供:NASA,JAXA/ISAS、CTA consortium )

宇宙線の起源は完全には解明されていません。荷電粒子の加速現象は、宇宙の至るところに存在するプラズマに普遍的な現象で、地球近傍のプラズマや太陽の表 面、あるいは超新星残骸の中でも、スケールこそ違え同様の現象が起こっています。太陽中性子の観測や宇宙ガンマ線の観測により宇宙線の起源を解明し、宇宙 プラズマに普遍的な粒子加速のメカニズムを理解することが、宇宙線研究部での研究のひとつです。


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メキシコ・シェラネグラ山頂のSciCRT太陽中性子望遠鏡 空気チェレンコフ望遠鏡によるガンマ線観測計画CTA実験(画像提供:CTA Consortium) LHC加速器で超高エネルギー宇宙線の衝突を研究するLHCf実験

ニュージーランドに設置した
MOA II 1.8m広視野可視光望遠鏡

屋久杉年輪中の放射性炭素14から、
過去の太陽活動や宇宙線増加を研究する。

宇宙線はまた、地上の実験では到達できない超高エネルギーの現象や未知の素粒子についてヒントを与えてくれます。かつては陽電子、中間子の発見、最近ではニュートリノ振動の発見など、宇宙線は天然の素粒子実験の場として大きな役割をはたしてきました。 宇宙線研究部では、LHC加速器での超高エネルギー宇宙線衝突の研究や、ニュートリノ・暗黒物質の研究など、宇宙と素粒子にまたがる謎にも挑んでいます。


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ニュージーランドに設置した
MOA II 1.8m広視野可視光望遠鏡

宇宙線は地球大気に突入して電離を起こし、また原子核反応により放射性炭素14などの宇宙線生成核を作り出しながら、そのエネルギーを地表まで持ち 込みます。宇宙から様々な影響を受ける地球にとって、宇宙線は最も遠い場所から、最も高いエネルギーを運ぶ担い手であると言えます。  また、宇宙線を調べることで、地球周辺の磁場の様子や変動の歴史を知ることができます。宇宙線研究部では、年代測定研究部などと連携し、年輪中炭素14の 測定などを通じて、宇宙線と太陽・地球との関わりを探っています。

このほか、宇宙線研究部では、ニュージーランド南島にあるカンタベリー大学付属マウントジョン天文台に専用1.8m広視野光学望遠鏡を設置し、重力マイクロレンズ効果による太陽系外惑星や暗黒物質の探索をおこなっています。

宇宙線物理学は、宇宙物理、素粒子・原子核物理、地球物理の3分野にまたがる広大な学問で。3つの学問領域をリンク するユニークな分野です。宇宙線研究部では、理学研究科、素粒子宇宙起源研究機構と連携し、3分野を自由に行き来できる人材を養成しながら、宇宙と地球の 関わりを研究していきます。

宇宙線研究部の研究の詳細については、こちらもごらんください。