最速で瞬くオーロラの撮影に成功

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[2017-05-22]

オーロラと聞くと、ゆっくりとゆらめく光のカーテンを思い浮かべるかもしれません。ところが、ブレイクアップと呼ばれるオーロラの爆発現象が起こると、カーテンの一部で明るさや動きが非常に激しく変化する「フリッカリング」という現象が見られることがあります。このフリッカリングオーロラは、オーロラ現象の中でも明るさが最も速く変化するもので、酸素イオンのサイクロトロン振動数に相当する1/10秒前後の周期で明滅していることが報告されています。本研究では、さらに高速の明滅を検出するため、毎秒160フレームの撮影が可能な高速撮像カメラを使用して連続観測を実施しました。その結果、酸素イオンによる1/10秒周期の明滅と同時に、1/50秒周期の明滅や、1/80秒周期という高速の明滅を発見しました。これは、フリッカリングオーロラが酸素イオンだけではなく、水素イオンの影響を受けた電磁イオンサイクロトロン波によっても引き起こされている証拠と言えます。この結果は、オーロラの発生要因である電子とプラズマ波動の相互作用についての理解に貢献することが期待されます。 本研究は、統合データサイエンスセンター・三好由純准教授、国際連携センター・塩川和夫教授と、東京大学・福田陽子氏、国立極地研究所・片岡龍峰准教授らからなる研究グループによって実施されました。

frickering_aurora.png フリッカリングオーロラ。真ん中の淡いピンク色の部分が明滅する。 撮影:Ayumi Y. Bakken、撮影地:米・アラスカ州フェアバンクス、 撮影日時:2015年3月18日、再生速度:1倍速。 動画はウェブサイトで公開(http://www.nipr.ac.jp/info/notice/20170519.html)

<発表論文>
Fukuda, Y., R. Kataoka, H. Herbelt, Y. Miyoshi, D. Hampton, K.Shiokawa, Y. Ebihara,D. Whiter, N. Iwagami, and K. Seki
First evidence of patchy flickering aurora modulated by multi-ion electromagnetic ion cyclotron waves
Geophysical Research Letters, doi:10.1002/2017GL072956
URL: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/2017GL072956/abstract

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