1.8m MOA II telescopeおよびMOA-cam3

1.8 m MOA望遠鏡

マイクロレンズ事象は、非常に稀な事象です。だいたい100万個の星を観測すると、そのうち1個くらいがマイクロレンズによる増光が認められる程度だと言われています。より多くの星を観測して、多数のマイクロレンズ事象を発見するためには、大口径広視野の望遠鏡を使って多数の星を連続観測する必要があります。そのための予算を各方面にお願いしておりましたが、2002年に文部科学省・科学研究費補助金・特別推進研究が認められ、1.8m望遠鏡をマウントジョン天文台に新設することになりました。マイクロレンズ事象の探索専用の望遠鏡としては、世界最大です。工事は順調に進み、2004年12月に望遠鏡は完成し、盛大に完成記念式典を行いました。

CCDカメラ

この望遠鏡は、特に広視野を得るために2000 X 4000ピクセルのCCDチップ(3cm X 6cm)を10枚使った大面積のCCDカメラ(MOA-cam3)が取り付けられています。暗い星を観測するために、量子効率の高いCCDを使用し、冷凍機で-80度Cくらいまで冷却して使用します。8000万画素の超高感度デジカメというわけです。このCCDカメラは、ハワイのすばる望遠鏡の主焦点カメラに取り付けられているものとほぼ同じ大きさ・性能のもので、世界最大級のものです。この大面積CCDカメラの性能をフルに引き出すためには、主鏡の持つ収差を補正し、カメラのすみずみまでクリアな画像を得る必要があります。このために、4枚の補正レンズをカメラの前面に置き、収差を補正する様になっています。