本領域の研究分担者（計画研究A03）である海老原祐輔 京都大学准教授と田中高史 九州大学名誉教授らの研究グループはオーロラが急激に明るく光り出す「オーロラ爆発」をスーパーコンピューターで再現し、長年の謎であったオーロラ爆発の基本的なメカニズムを解明しました。オーロラ嵐に伴って流れる電流は地上の送電網に誘導電流を流し、停電など電力網に対して深刻な影響を与えると考えられています。また、地球近くの宇宙空間に注入された高エネルギー粒子は放射線帯電子の種になるという指摘もあります。本研究成果は地上の送電網や人工衛星の安心・安全な運用に重要な指針を与えるものと期待されます。
本研究に関する論文は、アメリカの専門誌「ジャーナル・オブ・ジオフィジカルリサーチ」誌の電子版で12月21日午前0時（米国東部時間）に公開されました。
発表論文
Y. Ebihara and T. Tanaka
“Substorm simulation: Formation of westward traveling surge”
Journal of Geophysical Research: Space Physics, Accepted manuscript online: 14 November 2015
[DOI] http://dx.doi.org/10.1002/2015JA021697
本研究については、京都新聞（2015年12月23日22面）、産経新聞（京阪奈・京市内版2015年12月23日18面）に掲載されました。また、アメリカ科学振興協会(AAAS)のニュース配信サイトをはじめ、各国の科学サイトで取り上げられました。
・EurekAlert! (AAAS): Auroral mystery solved: Sudden bursts caused by swirling charged particles
・Phys.org: Auroral mystery solved: Sudden bursts caused by swirling charged particles
・Wired.co.uk（英国）: Mystery of swirling Northern Lights finally solved
・ScineXX.de（ドイツ）: Polarlicht: Rätselhafte Ausbrüche aufgeklärt
・Le Science（イタリア）: Un modello fisico completo per le aurore polari