統合データサイエンスセンターの新堀淳樹特任助教が令和7年度文部科学大臣表彰 研究支援賞を受賞
2025-04-16
統合データサイエンスセンターの新堀淳樹特任助教が令和7年度文部科学大臣表彰 研究支援賞を業績名「データ共有の推進と基盤構築による太陽地球科学研究への貢献」として受賞されることが決定しました。本賞は科学技術の発展や研究開発の成果創出に向けて、高度で専門的な技術的貢献を通じて研究開発の推進に寄与する活動を行い、顕著な功績があったと認められる個人又はグループを顕彰するものです。
令和7年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等を決定しました(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01503.html
令和7年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者が決まる(名古屋大学)
https://www.nagoya-u.ac.jp/info/winner/20250409_news.html

業績内容:
[業績の背景]
高度約50~500kmにある超高層大気の現象を理解するためには、当該領域だけでなく、太陽や宇宙空間、下層大気に関係する多種多様なデータを総合的に解析する必要があります。しかし、これらのデータは複数の大学や研究機関で別々に保存・管理され、組み合わせて利用することが困難であり円滑に研究活動を進める上での支障となっていました。
[支援の内容]
本業績では、2009年に大学間連携プロジェクト「Inter-university Upper atmosphere Global Observation NETwork : IUGONET」を設立し、約15年にわたって日本の各大学で別々に保管されていた観測データに対するメタデータ(観測点、観測者、観測機器、数値・画像・カタログデータなど)を作成し、相互利用が可能とするデータベースの構築・運用と統合解析ツールの開発を行い、データの流通や共有、解析を支援した。また、これらのデータやツールを使った解析講習会を国内外において計34回実施し、国内外の若手研究者育成に貢献した。
[当該支援を受けて行われた研究開発の内容]
本業績の支援を受け、多様な超高層大気データの発見、可視化、総合解析が容易になり、これまでに謝辞や本文で「IUGONET」に言及した査読付き論文が、修士・博士論文を含めて計180編以上出版されている。また、この研究支援によって研究分野や研究機関の枠組みを超えた融合研究が実施されるようになり、学際型ネットワーク形成事業の発案等の契機にもなっている。
[業績の社会的効果・実施効果]
本業績により、太陽地球系科学に関する分野横断的研究、国際共同研究を迅速且つ効率的に行うことが可能になった。また、本活動は、2010年頃から急速に拡大しつつあるオープンサイエンスや研究データ管理、データ引用等の活動の先駆けとなった。
これらの業績が国内外の研究者育成を支援したと評価され、受賞に至りました。なお、本件は地球電磁気・地球惑星圏学会からの推薦を受けたものです。