宇宙線研究部の田島宏康 教授が令和8年度文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞

2026-04-14

令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等を決定しました(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01620.html

令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者が決まる(名古屋大学)
https://www.nagoya-u.ac.jp/info/winner/8_1.html

業績内容:
業績名:
「シリコン検出器開発による素粒子および宇宙物理の研究」

業績概要:
加速器を用いた素粒子実験や宇宙観測の分野では、長年にわたりガス検出器やシンチレーション検出器が主力として用いられてきました。その中で、原理的に優れた位置・エネルギー分解能を有する半導体検出器は、次世代の精密測定を実現する技術として大きな期待が寄せられていました。田島氏は、シリコン半導体検出器およびその信号処理回路の新たな設計・開発を精力的に推進し、数々の困難な課題を克服しました。氏が開発を主導した検出器は、高エネルギー加速器研究機構のBelle実験、NASAのフェルミ・ガンマ線観測衛星、そしてJAXAのX線天文衛星ひとみといった大型プロジェクトにおいて中核的な役割を担い、その実現に大きく貢献しました。Belle実験では、小林・益川理論で予言された「物質・反物質の対称性の破れ」を世界で初めて精密に検証し、フェルミ衛星では超新星残骸における「宇宙線加速」のメカニズム解明や、遠方ガンマ線バーストを用いた「ガンマ線速度の不変性」の検証に成功。さらに、ひとみ衛星では「かに星雲からのガンマ線偏光」を高精度で測定しました。氏の貢献は、これらの成果創出に不可欠なものでした。
さらに、こうした基礎科学における貢献に留まらず、本研究成果は放射性物質を可視化する高感度ガンマ線カメラとして実用化されています。セシウムなどの放射性物質を高感度にに検出し、その分布を可視化するこの技術は、除染作業の効率化などに寄与し、社会の安全・安心にも広く貢献することが期待されています。