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三宅芙沙准教授が文部科学大臣表彰を受賞

2017-05-02

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 宇宙地球環境研究所・宇宙線研究部の三宅芙沙准教授が、「宇宙線生成核種を用いた過去の単年宇宙線イベントの研究」によって、平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。文部科学大臣表彰は、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術の水準の向上に寄与することを目的として、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者を顕彰するものです。

 三宅さんは、屋久杉などの古木年輪中に含まれる放射性炭素を1年ごとに抽出し、その生成量の変化を調べるうちに、西暦774−775の間に他の年にくらべ数十倍の増加がほぼ1年で起こっていることを突き止めました。放射性炭素は宇宙線が大気中で作り出しており、太陽磁場の変動によって増減が起こることが知られています。三宅さんの発見した急激な変動は、非常に大きな太陽フレア(太陽表面での爆発現象)から放出された宇宙線が作ったものではないかと考えられています。三宅さんは、西暦774−775年以外にもこのような急激な変動を見つけており、過去において太陽の巨大フレアが何度か起こった可能性を示唆しています。このような巨大な太陽フレア事象が起こると、我々の社会にも重大な影響を及ぼす可能性があるため、その発生頻度や予測の手がかりになるものとして注目を集めています。

 

文科省HP平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/04/1384228.htm