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太陽地球圏環境予測(PSTEP)サマースクール陸別2017

2017-08-16

 当研究所は新学術領域「太陽地球県環境予測(PSTEP)」(http://www.pstep.jp/)、陸別町との共同で「PSTEPサマースクール陸別2017」を、平成29年7月30日から8月4日の6日間、北海道陸別町にて実施しました。本サマースクールは全国の大学院生・若手研究者を主な対象とし、太陽地球圏環境予測の基礎から最前線までを様々な側面から学ぶことを目的とした合宿形式の研究会で、全国から約100人の参加者を集めて行われました。PSTEPは当研究所の草野所長が代表を務め、本サマースクールには当研究所からも実行委員・講師・受講生として多数の参加がありました。
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写真1:集合写真

  本スクールではPSTEP関連分野の最前線で活躍される多彩な講師により、全19コマに渡って講義が展開されました。これらの講義は太陽・太陽風・地球環境のエネルギー伝搬過程や、太陽地球圏環境の基礎研究と宇宙天気の予報運用とのつながりを理解できるよう意識して配置されました。さらに、事前に実行委員と講師とが講義の構成を相談し、また、講義ごとにシラバスを作成することで、学ぶべき内容や講義間の連携がより明確になるよう心がけました。加えて、各分野で使われる専門用語をまとめた用語集を実行委員が手作りし、プラズマ物理学の未履修者を対象としたインターネット中継形式の事前補講を草野所長自ら行うなど、スクール期間中の習熟度を最大限に高められるよう、数々の工夫を凝らしました。その甲斐あって、幅広いテーマを盛り込んだにもかかわらず、各講義の理解度は良好だったらしく、講義後には時間が足りなくなるほど活発な質疑応答が展開されました。
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写真2:講演中の草野所長

  本スクールでは、参加者同士の交流や議論を促進する目的で、ポスターセッションと企画セッションを設けました。夕食後の時間を活用し、合計2日間行ったポスターセッションでは、スペースが足りなくなるほど多くの参加者が集まり、夜遅くまで活発な議論が続きました。企画セッションでは、情報通信研究機構(NICT)で日々行われている宇宙天気予報を実際に体験してもらう「宇宙天気予報実習」を実施しました。この実習では、参加者を数名ごとの班に分け、太陽フレアと地磁気擾乱の予報を、様々な観測データを元に、各班で協力して行ってもらいました。各班とも熱心に取り組み、優勝チームには領域代表から豪華商品が贈られました。
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写真3:企画セッションの様子

 講義の合間には、エクスカーションとして周辺の国立公園に出かけました。また最終日の講義終了後には、本研究所の陸別観測所へ見学ツアーを実施しました。両日とも好天に恵まれ、太陽地球圏環境をより多角的に学ぶ最良の機会となりました。今回のスクールは参加者が同じ宿泊施設を利用する合宿形式としました。連日、夜遅くまで活発な議論が続き、多くの参加者に楽しんでいただけたようです。
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写真4:SuperDARN北海道-陸別HFレーダーを紹介する西谷准教授

 本スクールの開催にあたっては、約1年間に及んだ準備段階から、一貫して陸別町の皆様の全面的なご協力をいただきました。また、実行委員の皆さんには献身的に研究会の運営に取り組んでいただきました。関係各位には深く御礼申し上げます。本スクールの詳細はPSTEPのWebページ(http://www.pstep.jp/information/20170704ss.html )からご覧になれます。