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第29回ユネスコIHPトレーニングコース(名古屋大学コース)を開催

2019-12-26

 2019年11月27日から12月6日にかけて、“Changing Global Water Cycle and the Regional Responses”と題した第29回目のIHPトレーニングコースを、名古屋大学宇宙地球環境研究所(名大ISEE)の主催で開催しました。今回のトレーニングコースは、名大ISEEに所属し、名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻地球水循環科学講座を構成する12名の教員、同研究科同専攻気候科学講座の教員1名、同じく地球環境変動論講座の教員1名の、計14名を講師として実施し、外部からの講師を迎えない初めてのものとなりました。講師陣は、地球温暖化に代表される気候変動が大気水循環と陸域水循環をどのように変動させるのかについて、全球スケールから極域を含む地域スケールにいたる幅広い内容で8つの講義を行うとともに、4つに区分した演習(雲解像モデル出力データの解析、衛星計測降水データの解析、大気再解析データの解析、氷河質量収支モデルの解析、水や窒素の安定同位体組成の計測、大気化学データの解析、等)を行いました。また、名大ISEEが所有する気象レーダーの見学を演習の一環として行いました。
 全日程に参加した研修生は、国際連携研究センターの経費で国内外から招へいした3名(バングラデシュの大学教授1名、ネパールの大学講師1名、東京大学大学院博士後期課程に在籍する中国からの留学生1名)に加え、名古屋大学アジアサテライトキャンパス学院モンゴル校(所属は名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻博士後期課程)の大学院生2名、同じく博士前期課程に在籍する中国からの留学生1名の、計6名でした。
トレーニングコースの最終日には、研修生全員が一人ずつプレゼンテーションを行い、講義内容と演習の習得状況を報告しました。トレーニングコース期間中、研修生の受講態度は非常に真面目であったため、プレゼンテーションの内容も非常に充実していました。修了証書の授与式では、研修生から笑顔がこぼれていた。同じく最終日に開催した歓送会での会話を通して、本トレーニングコースに対する研修生の満足度の高さが感じられました。
 なお、ほぼ同時期に、京都大学防災研究所も第29回ユネスコIHPトレーニングコース(京都大学コース)を開催したことにより、研修生が双方のトレーニングコースを受講できなかったことは残念でした。名古屋大学と京都大学で、次年度以降どのような体制でIHPトレーニングコースを開催していくべきかについては、日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会国際水文学計画(IHP)分科会で検討しているところです。
  今回のトレーニングコース(名古屋大学コース)を共催頂いた飛翔体観測推進センター・地球水循環観測推進室(地球気候系の診断に関わるバーチャルラボラトリー(VL))をはじめ、ご協力頂いた皆さまに深く感謝申し上げます。

(檜山哲哉)

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