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革新的セルソーターによる「花粉化石により地層の高精度な炭素14年代測定に成功」

2021-04-27

湖底の地層には大小様々な花粉の化石が含まれており、堆積物から花粉の化石を選択的に分取し、炭素14測定が可能となれば確実性の高い年代測定が可能となり、過去の事象の年代を正しく決定することができます。本研究では、年代測定研究部のChristian Leipe客員准教授と北川浩之教授が東京大学・九州大学の流体工学の研究グループと密に連携して、マイクロ流路中で「輸送渦」を時空間的に制御する方式で、花粉などの比較的大型の微粒子を高速で分取するセルソーターを開発し、花粉化石を用いた確実性の高い年代測定を実現しました。本研究で新たに開発したセルソーターは、地質年代学や古生物学への応用、創薬・再生医療・バイオ燃料など比較的大型な細胞を取り扱う分野への新規応用が期待されます。本研究は、米国科学雑誌『Science Advances』(4月14日)に掲載されました。

名古屋大学によるプレスリリース
https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20210415.isee1.pdf

研究論文
Yusuke Kasai, Christian Leipe, Makoto Saito, Hiroyuki Kitagawa, Stefan Lauterbach, Achim Brauer, Pavel Tarasov, Tomasz Goslar, Fumihito Arai, Shinya Sakuma, Breakthrough in purification of fossil pollen for dating of sedimentsby a new large-particle on-chip sorter, Science Advances 14 Apr 2021:Vol. 7, no. 16, eabe7327 (doi: 10.1126/sciadv.abe7327)