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紀元前5410年の宇宙線大増加の発見

2021-06-04

宇宙線研究部の三宅芙沙准教授、菅澤佳世氏らの国際研究チームは、カリフォルニア、フィンランド、スイスの樹木年輪の炭素14を分析することで、紀元前5411年から紀元前5410年にかけて地球へ到来した宇宙線量が急増していることを発見しました。
 炭素14は通常、銀河宇宙線(太陽系外に起源をもつ高エネルギー粒子)によって作られますが、巨大な太陽面爆発に伴い放出される太陽高エネルギー粒子(Solar Energetic Particle: SEP)によっても作られることが知られています。これまでの樹木年輪の炭素14データから、観測史上最大のSEPイベントをはるかに上回る規模のイベントが西暦775年、西暦993年、紀元前660年頃に発生したと考えられています。今回発見された紀元前5410年のイベントはこれら3つのSEPイベントの炭素14変動と類似しており(図1)、巨大SEPイベントの発生が疑われます。このような宇宙線の1年での大きな変化は、年輪だけではなく、氷床などにも記録されていると考えられ、年代測定や層序学分野へタイムマーカ―としての応用も期待されます。
 本研究は、米国科学雑誌「Geophysical Research Letters」に掲載されました。


図1:新たに発見された紀元前5410年の宇宙線増加イベントと、これまでに見つかっている3つのイベント(西暦775年、西暦993年、紀元前5410年頃)の炭素14濃度変動。

[論文名]
掲載雑誌:Geophysical Research Letters
論文名:A single-year cosmic ray event at 5410 BCE registered in 14C of tree rings
著者:F. Miyake, I. P. Panyushkina, A.J. T. Jull, F. Adolphi, N. Brehm, S. Helama, K. Kanzawa, T. Moriya, R. Muscheler, K. Nicolussi, M. Oinonen, M. Salzer, M. Takeyama, F. Tokanai, L. Wacker
DOI:https://doi.org/10.1029/2021GL093419

EOSによる Research Spotlight: https://eos.org/research-spotlights/tree-rings-show-record-of-newly-identified-extreme-solar-activity-event