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最近10年間の梅雨前線帯の降水活発化

2021-07-09

東京都立大学大学院都市環境科学研究科の高橋 洋 助教および名古屋大学宇宙地球環境研究所の藤波 初木 講師は、人工衛星に搭載された降雨レーダの長期データ(1998–2020)を用いて、中国から日本にかけての梅雨前線の降水活動が、最近10年間は非常に活発であることを明らかにしました。これは令和2年7月豪雨(2020年)など、最近の梅雨期の気象災害の頻発に強く関係している可能性があります。本成果は7月7日付けのScientific Reportsに掲載されました。


Scientific Reports:
Takahashi, H. G. and H. Fujinami, 2021: Recent decadal enhancement of Meiyu–Baiu heavy rainfall over East Asia, Scientific Reports, 11, 13665. https://doi.org/10.1038/s41598-021-93006-0

東京都立大学からのプレスリリース
リンク:https://www.tmu.ac.jp/news/topics/31108.html


図: TRMM(熱帯降雨観測衛星)とGPM(全球降雨観測計画主衛星)に搭載された降雨レーダの観測による、1998年から2008年と2009年から2019年の各11年で平均した梅雨期(6月15日から7月15日)の降水頻度の差 (単位は%)。緑色(オレンジ色)は最近11年間で降水頻度が増加(減少)したことを示す。中国の長江流域から九州の南側にかけて、梅雨前線帯での降水頻度が上昇している。