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台風14号Nanmadolの航空機観測を実施

2022-09-20

本研究所の坪木和久教授が代表を務める科研費基盤研究Sの研究チームT-PARCIIと、ISEE共同利用・共同研究(航空機利用)参加者が合同で、2022年9月16日、17日に台風14号(国際名Nanmadol)の航空機観測を実施しました。台風Nanmadolはこの2日間で急発達し、スーパー台風となりました。また非常に強い台風の特徴である二重壁雲構造を形成しました。この台風について、両日とも小型ジェット機(図1)で眼への貫入観測を行い、ドロップゾンデを用いて高度13.7kmから海面までの熱力学的構造の観測を行うとともに、中心気圧の直接測定を行いました。図2の写真は眼のなかで撮影したもので、海面付近から高度16km付近までそそり立つ眼の壁雲が見られます。ドロップゾンデ観測により16日午後から17日午前にかけて、眼内部の暖気核の発達と、30hPa近い中心気圧の低下を観測しました。眼内部の他に台風周辺部や、共同利用の研究の一環としての黒潮周辺でのドロップゾンデ観測も行いました。台風Nanmadolは1951年以来、4番目に低い中心気圧で本土に上陸し、甚大な災害をもたらした点で社会的関心が高く、今回のドロップゾンデ観測データはリアルタイムで気象庁に送信され、台風の現業予報にも貢献しました。


図1:2022年9月17日、台風14号Nanmadolの観測に向けて、宮古島、下地島空港で離陸を待つジェット機ガルフストリームIV


図2:2022年9月17日の台風14号Nanmadolの眼内部と壁雲。(琉球大学山田広幸教授撮影)