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新しい原理のMI磁気センサーを使った観測システムで微小な地磁気変動の観測に成功

2022-11-24

 電磁気圏研究部 能勢正仁准教授は、愛知製鋼株式会社(愛知県東海市)との共同研究で、磁気インピーダンス効果(MI効果)と呼ばれる新しい原理を用いて、地球磁場を計測するための観測システムを開発しました。このシステムを1か月間、屋外に設置して継続観測を行い、地球磁場の大きさの約10万分の1という非常に微弱な地磁気変動を捉えることに成功しました。
 宇宙空間で生じている様々な現象は、プラズマ中の電磁波動として、地球の磁場に沿って伝わってくるため、地上では微弱な地磁気変動を引き起こします。そのため、本研究で開発したMI磁気センサーを使えば、地上に居ながらにして、宇宙空間で起こった現象を調査することができます。またこの観測システムは、低コスト・軽量・省電力であるため、複数箇所で地磁気の同時観測を行うことが容易であり、宇宙天気研究を一層加速すると期待されます。
 本研究成果は、2022年10月14日付アメリカ地球科学連合の学術誌「地球物理学研究誌・宇宙物理学(Journal of Geophysical Research-Space Physics)」に掲載されました。

論文情報:
雑誌名: Journal of Geophysical Research-Space Physics
論文タイトル:Application of magneto-impedance (MI) sensor to geomagnetic field measurements
著者: Nosé, M., T. Kawano, and H. Aoyama(青山均・愛知製鋼)
DOI:10.1029/2022JA030809
URL:https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2022JA030809

名古屋大学からのプレスリリース:
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2022/11/post-358.html

産学共同で開発した地球磁場の精密な計測に最適化したMI磁気センサー