短波通信が途絶する「ブラックアウト」の発生しやすさを表す新指標を定義 ~信頼性の高い宇宙天気予報の実現に貢献し、短波通信の安定運用に期待~
2025-11-21
防衛大学校、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、名古屋大学宇宙地球環境研究所の研究グループは、日本国内4か所のイオノゾンデの40年以上にわたる観測データを解析し、ブラックアウトの発生しやすさには太陽フレアの規模だけでなく、フレア発生前の電離圏の状態が強く依存していることを突き止めました。本共同研究グループは、この「電離圏の状態」を定量的に示す新しい指標 fB を定義し、この指標を用いることでブラックアウト発生の予測精度が劇的に向上することを確認しました。本成果は、より信頼性の高い宇宙天気予報の実現に貢献し、航空無線や防災無線など、社会基盤を支える短波通信の安定運用につながることが期待されます。
このたび、本共同研究グループによる論文が地球電磁気・地球惑星圏学会(SGEPSS)により「プレスリリース論文」の一つとして選定され、プレスリリースされました。
また、主著者の北島 慎之典さん(防衛大・博士後期課程3年)は、令和7年度のISEE奨励共同研究に採択され、本研究論文の内容に関してISEEと共同研究を推進しています。
SGEPSSからのプレスリリース
https://www.sgepss.org/meeting/FM2025/SGEPSS_FM2025_Press_Release.pdf
共同研究グループメンバー
防衛大学校 北島 慎之典、渡邉 恭子
情報通信研究機構 陣 英克、垰 千尋、西岡 未知
名古屋大学宇宙地球環境研究所 増田 智

