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CTA Schwarzschild-Couder型中口径望遠鏡の完成式典

2019-01-24

宇宙線研究部の田島宏康教授と奥村曉講師らの参加するチェレンコフ望遠鏡アレイ(Cherenkov Telescope Array、CTA)計画のSchwarzschild–Couder型中口径望遠鏡(Schwarzschild–Couder Telescope、SCT)の試作機が完成し、その完成記念式典が米国アリゾナ州のフレッド・ローレンス・ウィップル天文台にて 2019 年 1 月 17 日に開催されました。

SCT は CTA によるガンマ線観測の 150 ギガ電子ボルト(GeV)から 5 テラ電子ボルト(TeV)のエネルギー範囲を担うように設計され、最大で 80 GeV から 50 TeV のエネルギー範囲を観測することができます。SCT は Schwarzschild–Couder 型の光学系と呼ばれれる非球面の副鏡と主鏡の組み合わせを実現することより、主鏡直径 9.7 m、カメラ視野 7.6 度、画素サイズ 4 分角という、地上ガンマ線望遠鏡としては世界最大級の視野と角度分解能の両立を目指しています。

名古屋大学宇宙地球環境研究所は、この SCT の焦点面カメラや光学系の開発に参加し、またその経験で培った技術を小口径望遠鏡(鏡直径 4 m)の開発にも取り込み主要な貢献をしています。

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SCT 試作機の完成記念式典の様子。主鏡(直径 9.7 m)と副鏡(直径 5.4 m)の間に焦点面カメラが見える。(図提供:Deivid Ribeiro、Columbia University)