Solar Cycle 2009-2019

約11年で繰り返す太陽の周期活動は、黒点数の増減が最も古くからある指標ですが、太陽で起こる多くの現象にも現れます。黒点を形成するのは太陽内部で作られる磁場なので、磁場の量(磁束)も11年周期で増減します。黒点がなくなっても磁束がゼロになることはなく、黒点が多い時(活動極大期)の2割くらいの磁束が残ります。X線や紫外線は非常に大きく変動し、極大期のX線強度は極小期の百倍以上になります。太陽風は極小期には、広く一様な極性の磁場を持つ高緯度領域から惑星間空間へ開いた磁束に沿って高速風が流れ出ます。極大期にはこのような開いた磁束は減少し、低速風の領域が増えます。

1991年に打ち上げられ2001年まで運用された「ようこう」衛星のX線画像により、コロナの発するX線強度の変動を示す印象的なポスターが米国のようこうチームによって作られました(a)。対応する磁場分布の図は米国国立太陽天文台(NSO)が、アリゾナ州キットピークにある磁場観測装置のデータを使って製作しました(b)。名古屋大学太陽地球環境研究所(当時)は、太陽風の速度分布図を製作しました(c)。


(a) X線

(b)磁場

(c)太陽風

PSTEPの5年間を含む2009~2019年(第24活動サイクル)について今回、同じデザインでポスターを製作しました。X線データは「ようこう」に替わって「ひので」から、太陽風データは以前と同じく名古屋大学宇宙地球環境研究所によるものです。磁場と白色光のデータは国立天文台(三鷹)、電波画像は国立天文台野辺山太陽電波観測所の電波ヘリオグラフ(現在は名古屋大学を中心とする国際コンソーシアムが運用)、Hα画像は京都大学飛騨天文台のものです。「ひので」のように日本が中心となった国際協力プロジェクトも含め、すべて日本製のデータでできていることにご注目下さい。

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使用データの詳細

A04班 桜井隆(国立天文台)