教えて!研究室のアレコレ!大学院生に聞きました!
インタビュアー:小坂由紀子(研究機関研究員)
研究室を選んだ理由、研究室に入ってよかったこと、イメージと違ったこと…色々聞いてみました『学部生の時の自分に伝えたいこと』はきっと役立つこと間違いなし!
今の研究室、研究テーマを選んだ理由
佐藤 先生から、研究テーマを渡されていて、その中に氷の年代測定があって。水が好きなので、氷って何か面白そう
だなと思って、選びました。
小坂 なるほど。水にまつわる研究をしたいということなのですね。
河合 僕は名大工学部出身で、学部4年の時には、村上君が今所属している研究室にいました。その研究室を選んだ
理由は、これから宇宙開発等が進んでいくにつれて、宇宙のことをやっておいたらお金になるかなって。
一同(笑)
河合 僕の場合も佐藤さんと同様に、先生による研究テーマ紹介がありました。そこで、太陽コロナ加熱問題という
サイエンスの未解決問題を知って、面白そうだなと思って選びました。それをやると決めて、大学院からは理
学研究科に編入をしました。
小坂 編入で研究科を変えられるのですね。
村上 自分は元々他大学で、航空宇宙工学科で宇宙開発系の勉強をしていたんですが、J PGU(日本地球惑星科学連
合)という学会に見学に行った時に、宇宙天気や太陽の研究を知って。元々流体力学に興味があったので、何か
太陽の流体をやったら面白そうだなと。宇宙開発にも結構関係しているなと思ったので、選びました。
小坂 すごい。みんな色々な所で情報を得て、研究室を選ぶきっかけを見つけたんですね。
研究室に入って良かったこと、イメージと違ったことは?
河合 良かったことは、出張で色んな所に行けるのが凄く大きいですね。例えば、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の
一般の見学者では入れない場所で、衛星の運用を行えたのは面白い体験だと思います。それから、学会で海外
にも行くことができて、それは良い体験になりました。
小坂 イメージと違ったことはありましたか?
河合 学生の研究は先生から色々やることを与えられて、それに従ってただやっていくだけかと思っていたんですけ
ど、入ってみたら結構自由な感じでした。それはそれで大変ですけど、その方が良いかな。
小坂 その方が、やりがいもきっとあるよね。
村上 僕は、元々太陽の研究をやろうと思って研究室を選んだので、太陽研究の凄い人がいっぱいいて、研究部のセ
ミナーでも、太陽の面白い話を毎週色々聞けることが良かったですね。
小坂 なるほど。では、イメージと違ったことは?
村上 ギャップですか…僕はもともと私大にいたので、思ったよりすごい研究費があるなって。
一同(笑)
村上 旅費全部出してくれるんだ、みたいな。以前所属していた他大学の研究室では、海外に行くとなると、全額は出
してもらえなかったり。
小坂 私もそうだった。研究費は常に潤沢にあるわけではないからね。
佐藤 私の良かったことは、水循環のセミナーに参加できたことです。、そこで知らなかった知識を色々知ることがで
きました。ISEE(宇宙地球環境研究所)に所属していなければ関われなかった人たちと交流を持てたことが、
良かったと思います。
小坂 イメージと違ったことはありましたか?
佐藤 研究テーマが氷ということで、試料が限られているので、意外と実験ばかりじゃなくて論文を読むことが多か
ったところが、イメージと違った点です。河合君が言っていたように、言われたことをやるだけでなくて、自分
で考えないといけないところが、大変ですね。
学部生の時の自分に伝えたいこと
村上 自分が太陽に興味を持ったのは学部3年生の春頃だったので、試験勉強が間に合うか不安でした。でも、実際
やってみたら全然間に合ったので、やりたいと思った時に動けば良いと伝えたいです。
小坂 凄く良いですね。参考になるアドバイス!
佐藤 私は参考にする英語論文が多いので、英語が読めないとしんどいと伝えたいです。確か学部3年に地球惑星科
学科は、英語を読む授業があるんですけど、みんな嫌々っていうか。
一同(笑)
佐藤 今になってそれの有り難さとか、それをやっていた理由が分かるなと思いましたね。
小坂 なるほど。研究分野によっては英語文献しかないパターンもあるからね。
河合 僕は、基礎科目の勉強ちゃんとやれよと言おうと思いましたけど、多分言われてもやらないと思うので。
一同(笑)
河合 その時その時、興味のあることをやっていれば、自ずと良い方向に向かうんじゃないかなと。結構、研究室入る
前と後とで色々関心とかも変わっているし、興味が無い時にやっても何も身に付かないので。
小坂 確かにそういう時はやる気出ないね。大学院に入って、何を勉強すべきかがどんどんクリアに見えて来るよう
になると思うので、興味や何をすべきかが見えて来た時にどんどん頑張っていくのが、大学院で研究をやって
いく上で、重要だと思いますね。