menu

オーストリアの修道院の歴史的観測から明かされるダルトン極小期の太陽活動

2021-09-17

総合解析研究部の早川 尚志 特任助教、采女 昇真、今田 晋亮 講師(現在:東京大学 教授)などの研究グループは、オーストリアのウィルテン修道院に所蔵されるシュテファン・プラントナーの黒点観測記録を分析し、ダルトン極小期中盤の太陽活動を黒点群数と黒点座標の観点から復元しました。この結果は、同チームによるクレムスミュンスター観測所の黒点観測データや当時の太陽コロナの図像記録の検討結果と整合的で、ダルトン極小期の太陽活動がマウンダー極小期のものと大きく異なっていたことを裏付ける結果になります。今後、過去の観測記録のさらなる検討を重ねることで、太陽活動の長期変動やその地球環境への影響が明らかになっていくことが期待されます。本研究結果は9月16日付でThe Astrophysical Journalに掲載されます。


MS A07 03 07, f. 16 and f. 27b; ©︎ the Stiftsarchiv Wilten

プラントナーの黒点観測から導出されたダルトン極小期の黒点座標