menu

世界の舞台で活躍するために!!

名古屋大学では自由闊達な学風の下、自発性を重視する教育実践によって、論理的思考力と想像力に富んだ勇気ある知識人を育てることを目標に教育を進めています。ここでは、宇宙地球環境研究所で教育を受け、研究を進めている学生及び卒業生の皆さんに自分の研究内容、夢、研究所の雰囲気、日頃の学生生活等について自由に語っていただきました。

様々な研究と関われる場所

素粒子宇宙物理学専攻博士後期課程3年

理学研究科
素粒子宇宙物理学専攻
博士後期課程3年 
菅澤 佳世

素粒子宇宙物理学専攻博士後期課程3年素粒子宇宙物理学専攻博士後期課程3年

地球にやってくる宇宙線は太陽活動や地球磁場の変化に伴って変動しています。私は南極で掘られたアイスコアに保存されている宇宙線生成核種のベリリウム 10 と塩素 36 を分析することで、過去の宇宙線強度の復元に取り組んでいます。 私の所属する宇宙線物理学研究室では他にも数多くの実験を行っており、それぞれ異なるアプローチで宇宙線について研究しています。自分とは異なる手法で研究している仲間と語り合うことで、新しいアイデアが湧いてくることもあります。研究室では週に一度メンバー全体でコーヒーを飲みながら雑談したりして、それぞれの研究テーマに関係なく交流しています。また、宇宙地球環境研究所には幅広い分野の研究者が集まっています。研究をしているとつい自分の分野だけに集中してしまうのですが、当研究所ではセミナーなどで自分とは全く違った研究をしている方の話を聞く機会もあります。違う世界を知ることは自分にとって刺激になり、また自分の研究は専門外の方からどう見えるのかということを意識するきっかけにもなります。 このように当研究所では様々な研究が行われています。もし宇宙や地球に興味があって「面白そう」「研究してみたい」と思ったら、勇気を持って飛び込んで、やってみてはいかがでしょうか。

仲間と挑む宇宙への挑戦

電気工学専攻博士前期課程 2年

工学研究科
電気工学専攻
博士前期課程 2年 
伊藤 大輝

電気工学専攻博士前期課程 2年電気工学専攻博士前期課程 2年

宇宙空間には宇宙飛行士や人工衛星が活動しており、将来宇宙旅行が実現する可能性があるなど、宇宙は私たちにとって非常に近い世界になってきています。しかし、宇宙空間には高いエネルギーのプラズマが多く存在する放射線帯があり、その変動により人工衛星の故障や宇宙飛行士の被曝が起こるなど、安全というわけではありません。 私の所属する研究室は、このような電気系では珍しい宇宙の研究を行っています。中でも私は放射線帯の変動を予測するため、スーパーコンピュータによる二種類のシミュレーションを用いた放射線帯電子の惑星間空間への消失過程について研究を行っています。宇宙という未知の領域の挑戦、未解明な物理過程の解析は、楽しくやりがいを感じています。また私が所属する宇宙情報処理グループは、工学研究科でありながら理学研究科の方々と同じ部屋で研究をしています。そのため研究で相談したい時は、工学研究科の先生や学生だけでなく、理学研究科の方とも議論を行うことで、研究をより深めることができました。 このように工学と理学の垣根なく先生や学生同士の交流が活発であり、多くの仲間と楽しく研究することができます。「宇宙の謎を解明したい」「未知への挑戦に興味がある」「仲間と一緒に研究をしたい」このような思いをお持ちのみなさん!この研究室に来て仲間と共に未知への挑戦してみませんか。

人と雲とレーダと 魅力的な出会い

地球環境科学専攻博士前期課程 2年

地球環境科学専攻
博士前期課程 2年 
今井 隆翔

地球環境科学専攻博士前期課程 2年地球環境科学専攻博士前期課程 2年

皆さんは雲を見ていますか?天気に興味がある方でしたら、気象庁や民間気象会社の雨雲レーダの画像を見ていることでしょう。でも、このレーダ画像は平面的な雨雲の様子でしかありません。立体的な雨雲の変化が見たい、どうして変化するのかを知りたいと思いませんか? 私は学部生の頃、指導教員である高橋暢宏先生(雲降水センシング研究室)の講義で、最先端のレーダ「フェーズドアレイ気象レーダ(PAWR)」のデータを基にした雨雲の立体的なエコーが滑らかに変化する動画を見て、その能力に惹かれました。PAWRは従来のレーダとは異なり、数十秒毎に隙間のない雨雲の立体構造を見ることが出来ます。この利点を生かし、従来のレーダでは十分な観測が難しかった、海上竜巻の発生に寄与するとされる積雲内部の渦構造の発達メカニズムを明らかにすることを目的に、修士研究を進めました。 研究で楽しい時間は、研究室のレベルの高いスタッフや学生と議論をする中で自分の考えが纏まっていく過程です。成果を外部に発表する機会も多く設けられ、その金銭的な援助もあり、日本の学会だけでなく国際会議にも参加しました。ほかの研究者と議論したり、同年代の学生と交流したりした時間は良い経験となりました。 それだけでなく、名大随一の眺望を誇る研究所から雲を眺めることも出来ます!雲が好き、雨雲の中で何が起きているかもっと知りたいという方はぜひ、私たちと研究生活を始めてみませんか。

海の研究と人としての成長

地球環境科学専攻博士前期課程 2年

環境学研究科
地球環境科学専攻
博士前期課程 2年 
李 梓萌

地球環境科学専攻博士前期課程 2年地球環境科学専攻博士前期課程 2年

私の所属する海洋学研究室は、環境学研究科・地球環境科学専攻の大気水圏科学系・地球水循環科学講座にあります。また、海洋学研究室は生物海洋学、物理海洋学、化学海洋学という3 分野から成り、互いに他分野の視点を取り入れながら研究を進めています。近年、地球温暖化が人間の影響によって引き起こされたと話題になっていますが、地球環境がどのような理由によって、どのように変動(海水温の上昇・下降など)するのかを解明することは、地球の未来を考える上で非常に重要です。 更に、宇宙地球環境研究所の国際連携研究センターでは、若手大学院生に海外での研究活動や国際会議での発表を体験させるため、若手海外派遣支援プログラムとして海外出張費を支援しています。私はこのプログラムを利用して、中国で行われた国際学会に参加し、口頭発表を行いました。そして、世界中からの参加者たちと意見交換し、専門的なコメントや提案を多く頂きました。国際学会での発表は、私にとって大きな挑戦でしたが、そこで得た経験は研究を進める上で大いに役立ちました。 最後に、約 2 年と半年間の研究では沢山の挑戦をしてきて、成功だけでなく失敗もありました。困難な問題に直面すると、その時は研究が苦しかったですが、何とか乗り越えた時には、自分自身の成長を実感しました。人は、挑戦する過程で成長すると思います。これを読んでくださった皆さんのこれからの挑戦を、心より応援しています。