17. 大雨のときBS放送が見えにくいのはなぜ?

大雨の日に BS 放送の映りがよくなかった、という経験をした人がいるでしょう。なぜだかわかりますか?

人工衛星からの電波は、地上に届くまでに、地球の大気を通ってきます。ときには、雲や雨の中を通らなければならないこともあるでしょう。このときに少し問題が起こります。BS 放送で使われている電波は、水蒸気によって吸収されやすい性質があるからです。

空気の中にあるひとつひとつの粒(分子)は、その種類によって、固有の周波数の電磁波を放射したり吸収したりします。空気中に含まれる水の場合、周波数 22 ギガヘルツ(GHz:ギガは10 億倍を表わします)を中心に、広い周波数で電波を吸収します。吸収する量は、空気中の水の量によって決まります。

さて、BS 放送で使われる電波はというと、周波数は 12 GHz。水が吸収する周波数からは少し離れているため、晴れた日や少しぐらいの雨のときには、BS 放送の電波はあまり吸収されません。しかし、大雨のときには、雨粒や厚い雨雲によって、空気中の水の量が増えます。そのため、BS 放送の電波は吸収されて、地上まで届く量が減り、放送が見えにくくなることがあるのです。