48. 気象レーダってなにができるの?

気象レーダは自ら電波を空中に向かって発射し、雨雲から返ってくる微弱な電波を捉えることにより、雨雲の位置・雨の強さ(内部構造)を見ることができます。これは、いわゆる山びこになぞらえられて、エコーと呼ばれています。

気象レーダでは、およそ波長数センチメートルの電磁波を用いており、雲を通り抜けることができるため、遠くの雨雲の様子を見ることができます。また、雨雲の動きを追跡することにより、遠くにある雨雲が近づく様子も観測できます。

現在では、気象庁のレーダは20基、国土交通省のレーダ26基(波長5cm帯)、38基(波長3cm帯)、さらに空港用のレーダが9基国内に配備されており、インターネットの普及やデータ解析技術の向上により、スマートフォンやパソコンで雨雲の様子をほぼリアルタイムで見ることができるほか、短時間の雨域予測も可能になっています。

名古屋大学では、研究用の気象レーダを3基保有しており、国内外での観測実験を他大学・研究機関と協力して実施しています。