50. 電波を使って地球外生命の探査をする?

広い宇宙のどこかには、人類と同じように、あるいは人類以上に発達した知能を持つ生命体(宇宙人)がいるかもしれない…そう考える人は多いと思います。では、そのような知的生命体が宇宙のどこかにいるとしたら、どのようにして彼らを探すことができるでしょうか。

これまでに何度か、地球人は宇宙人と連絡をとるために、情報を乗せた電波を宇宙に発信しました。電波は、目で見える可視光線に比べて、宇宙空間にある塵の影響を受けにくいため、遠くまで届き、遠い場所への連絡には有利です。おそらく、宇宙人もほかの知的生命体と連絡しようとするときには、電波を使うことでしょう。

そこで、宇宙人が発信したと思われる電波をキャッチして、知的生命体の存在を証明しようという取り組みが続けられています。最も古いのは、1960年にアメリカのドレーク博士の提案で始まった「オズマ計画」。地球から比較的近い2つの恒星に電波望遠鏡を向け、信号が送られていないかどうかを調べました。しかし、それらしい信号は受信できませんでした。

その後、いくつもの計画がありましたが、もっとも有名なのは、「SETI@home」というプロジェクト。プエルトリコにあるアレシボ天文台で、いろいろな星にアンテナを向けて電波を受信し、それを解析して、宇宙人が発信したと思われる信号を検出する試みです。信号の解析には SETI@home というソフトウエアを使い、インターネットにつながるコンピュータを持っている人なら、だれでも解析に参加できるということで話題となりました。今度、みなさんも参加してみませんか?

アレシボ天文台の電波望遠鏡。自然の地形を利用して直径 305 m の反射面が設置され、受信機は高さ 150 m に吊り下げられています。(提供:NAIC - Arecibo Observatory, a facility of the NSF)