32. 電波で病気を診断する装置がある?

肩や腰が痛くなって整形外科へ行くと、X線のほかにMRI*を使って、骨や神経の様子を調べることがあります。MRIは核磁気共鳴という原理を利用した医療装置で、核磁気共鳴を起こすのに電波が使われます。

人間の体には多くの水が含まれています。水は、2個の水素原子と 1 個の酸素原子からできていますね。MRI では、磁場の中に人体を入れて、体内の水素原子の原子核に対して電波を照射し、 水素原子核のスピン(原子が回転していると考えていただけば結構です)の軸が同じ向きを向くようにします。これを核磁気共鳴といいます。

水素原子核は電波のエネルギーを吸収するため、水素原子がたくさんあるところでは、電波がたくさん吸収されることになります。この吸収量を体内のいろいろなところで測定することにより、人体の断面写真を得ることができるのです。体内の異なる部位の画像を得るために、磁場の強さや電波の出し方を変えて測定します。

* MRI:Magnetic Resonance Imaging (核磁気共鳴画像化)