17. オゾンホールは、南極だけにできるの?

先に説明しましたように、オゾンは生命に有害な太陽紫外線を吸収し、地上で暮らす私たちの命を守ってくれています。しかし、オゾンホールができるということは、紫外線をさえぎってくれるオゾンがなくなってしまうということですから、生命にとって重大な問題です。

そこで、オゾンホールがどうやってできるのか、どこにできるのか、いつできるのかなどなど、詳しい研究が世界中で行われてきました。1990 年代になって、南極だけでなく、北極でも成層圏オゾンが減少しているのが見つかりました。北極のオゾン減少は、南極と同じく春に発生します(北極の春は 3 月)。

気象庁では、日本各地で続けられているオゾンの観測結果を、インターネット上で公開しています。詳しくは、気象庁のホームページ http://www.jma.go.jp/jma/index.html をご覧ください。

ヨーロッパの人工衛星 GOME で観測された北半球上空のオゾン量(2003 年 3 月2日の例)。点線で囲んだ部分は、オゾンがとくに減っている。