47. スモッグが国境を越えるって本当なの?

秋の午後、落ち葉を集めてたき火をしながら、焼きイモを焼いたとしましょう。当然ですが、たき火の煙はすぐには消えることなく、空高く舞い上がるはずです。あるいは、ご近所の家に煙が流れていったために、苦情がくる・・・なんてこともあるかもしれません。

これと同じように、大きな都市で発生した二酸化窒素やオゾン、エアロゾルは、低気圧や高気圧が作り出す空気の動きによって、上空へと飛び散ってしまうばかりか、一部は隣の街にも運ばれてしまうことがあるんです。

そればかりか、ある国のとある場所で発生したスモッグが、その隣の国へと運ばれてしまうことだってあります。例えばヨーロッパでは、オゾンや二酸化窒素が国から国へと流れてくるという、規模の大きな問題が発生しています。また、日本でも、ロシアに広がる森林地帯で発生した大きな山火事によって、大量の煙が流れこんできたために、太陽の光をさえぎってしまうという被害が出ることがあります。今や、スモッグの発生を抑えるという取り組みは、国ごとの問題ではなく、世界レベルの問題になりつつあるのです。