32. 代替フロンはフロンと何が違うの?

フロンガスが成層圏のオゾンを壊すのは、成層圏まで運ばれたフロンガスが、太陽からの紫外線によって塩素原子を放出するため、ということを紹介しましたね。

ならば、塩素原子を放出しないような新しいタイプのフロンがあればよいだろう、ということになります。そこで、塩素原子の代わりに水素原子を使ったフロンガスが登場しました。この代替フロンは、ハイドロフルオロカーボン(Hydrofluorocarbons) と呼ばれています。ハイドロフルオロカーボンは、塩素原子を放出しないという性質だけでなく、地上にごく近いところで、化学反応によって分解されるので、成層圏に届く量そのものが非常に少ないという特色があります。

例えば、車のエンジンルームを開けて見て下さい。HFC-134aと書いてあるでしょう。これが、たくさんある代替フロンのひとつであり、エンジンを冷やすのに使われているのです。134a という記号は、さまざまな代替フロンガスを識別するためのものです。