35. 太陽活動のサイクルとオゾンホールは関係があるの?

みなさんは、太陽の活動が 11 年ごとに元気になったり、そうでなくなったりすることを知っていますか? くわしくは、この本とシリーズになっている「オーロラ 50 のなぜ」や、「太陽・太陽風 50 のなぜ」を読んでみてください。

太陽活動(黒点数:上の図)と、いろいろな手法(地上観測、人工衛星観測) で測ったオゾン量の変動(%:下の図)。オゾンの量は低緯度(南緯 25˚から北緯 25˚の間)での値。

さて、太陽の活動が 11 年ごとに変化すると、太陽から届く光の強さもそれに応じて変わります。12 番で説明したように、成層圏にあるオゾンを作る材料は、太陽の光と酸素、でしたよね。ですから、成層圏のオゾンの量も、11 年ごとに変化するのです。

では、その変化はどのくらいでしょうか?

それは、成層圏にあるオゾンの量のわずか 1-2%という小さなものです。しかも、太陽が元気になったり、そうでなくなったりしても、オゾンは増えたり減ったりを繰り返すだけですから、23 番でご紹介したような、“オゾンが一方的に減っていく”、ということには結びつかないのです。オゾンホールは、化学物質と地球の大気の流れの結果であり、太陽活動のサイクルとは関係がありません。