35. オーロラにまつわる伝説は?

神秘的な美しさは、怖ろしさともつながります。古くからオーロラを毎日のように見ていた、ラップランド人やグリーンランド人なと、極地に住む人々にとって、オーロラのゆらめきは天空からの光でした。北欧では、神の世界と人間の世界がオーロラで結ばれていると信じている人が、今でもたくさんいます。北米のイヌイットには、精霊が地上に話しかけているといういい伝えがありますし、オーロラがまれにしか現れなかった中国では、オーロラは天に住む龍の姿でした。

中世ヨーロッパでは、オーロラも彗星も、災害が起きる前兆であると伝えられていました。中低緯度で見られる赤いオーロラは、血を連想させ、神の怒りのしるしであると思われたのです。中世の文明国では、オーロラは珍しい現象であるため、オーロラの模様の中に、武器や戦う兵士の姿が見えたのも不思議ではありません。

大きな蛇が空を舞っている

白いハンカチを振るとオーロラが動く
天空で戦争が起きている

スカンジナビア最北部に住むラップランド人は、明るいオーロラの光に照らされながら、キツネを撃っていたという。