35. 宇宙からの音楽って何のこと?

極地は、磁気圏内の高エネルギー粒子の運動や、その運動によって発生する自然電波を探る窓にもなります。自然電波には、オーロラと関係して発生する極超低周波数(ELF)から超低周波数(VLF)の「オーロラヒス」と呼ばれる自然電波があります。

大型のループアンテナで電波を受けて、可聴周波数帯のアンプとスピーカを通すと、「シャー」という音が聞かれます。この音は、夜側のオーロラの発生にともなって、短い時は数分間、長い時は1-2時間にわたって連続して聞かれる雑音的な音です。

一方、地球の磁場が大きく乱れる状態の磁気嵐の期間の昼間によく発生する「オーロラコーラス」と呼ばれるELF-VLF帯の自然電波があります。この電波をスピーカで聞くと、「ヒュウヒュウ」という音が、高くなったり低くなったりして響くので、実に音楽的。この音は数秒毎に繰り返して聞かれますが、この繰り返しは、コーラスの電波が磁力線に沿って南北の磁気共役点を往復する時間です。