11. 紫外線はどのような場所で強いの

地球で最も高い山は、エベレスト(チベット語ではチョモランマ)であることは知っていますね。皆さんは、ヒマラヤなどの高い山に挑戦する登山家が、真っ黒に日焼けしているのを見たことがありますか? 一般に、高いところほど、紫外線は強くなるんです。それは、なぜでしょう?

「高くなれば太陽に近くなるからだよ!」と、思った方いませんか? それは、ちょっと違います。地球から太陽までの距離は約1億 5 千万キロメートル。富士山の高さは 3776 メートル、エベレストといえども 8850 メートル。太陽から地球の距離と、地上にある山の高さを比べたって、全然大したことはないですよね。では、山の上ほど日焼けしやすくなる、つまり、紫外線が強いのはどうしてなのでしょうか?

それは、高い山ほど空気が薄いからなのです。成層圏のオゾンが、太陽から届く紫外線を防いでくれる、ということを説明してきましたが、成層圏のオゾン以外にも、空気そのものや、空気中に浮かぶ小さな塵やほこり、雲などが太陽からの紫外線を反射してくれます。このような理由が重なった結果、「高い山に登ると日焼けしやすい」ということになるわけです。