45. 実験:オレンジの皮にオゾンを吹きかけると?

みなさんは、手品は好きですか? 黒い帽子から白いハトが出てきたり、トランプやお金を使った手品、あるいは人がまるごと消えてしまうものまで、さまざまですね。

手品ではありませんが、オレンジの皮にオゾンを吹きかけてみると・・・。なんとも不思議なことに、白い煙のようなものがモクモクと出てくるじゃありませんか!(この実験は危険ですのでマネしないでください)

これはいったいどういうことなのでしょう?

オレンジの皮をむけば、なんともいい香りがしますよね。この香りは、リモネンという成分です。実は、オレンジ、レモン、グレープフルーツなどからただよう香りは、揮発性有機化合物とよばれる仲間です。また、ガソリンや灯油もそれぞれ特有の香りがしますが、それらも同じ仲間の化学物質の一つです。

オレンジの皮にオゾンを吹きかけたときに出てくる白い煙は、スモッグの原因にもなるエアロゾルとよばれる物質です。ですから、オゾンと揮発性有機化合物、例えば、ガソリンとが反応するとスモッグが発生します。ですから、オゾンが対流圏に出来てしまうと、それ自体がスモッグとなるだけでなく、他の物質と化学反応を起こしてエアロゾルを作ることで、さらにスモッグの状態を悪化させてしまいます。