13. 成層圏オゾンはどこで作られるの?

成層圏ならどこでもオゾンはできるのですが、もっとも効率的に作られているのは、赤道付近の上空です。12 で、オゾンを作る「材料」のひとつに、太陽の光が必要であることを説明しましたね。赤道付近は、1 年を通して太陽の強い光が入りこんでくるので、オゾンもたくさんできるわけです。では、赤道付近ほどオゾンの濃度は高いのでしょうか?

答えは、「いいえ」です。オゾンは、大気の流れにのって、より緯度の高い地方へと運ばれてしまうからです。この大気の流れは、観測した人(A. W. Brewer)と以前から予測していた人(G.Dobson)の名前をとって、ブルワー・ドブソン循環と呼ばれています。

赤道付近で作られたオゾンは、上昇する大気の流れに乗って上へ上へと運ばれるのですが、やがて上昇する流れが弱くなり、南北へと向きを変えて拡がっていきます。オゾンは、太陽の光と酸素分子が材料となって作られるのですが、そのオゾンが地球上でどのような分布をしているのかは、地球の大気の流れも強く影響しているのです。