28. 火山が大噴火すると、オゾン層に影響する?

成層圏オゾンに影響するのは、フロンやハロンのように、人間が作り出した物質だけではありません。1991 年、フィリピンにあるピナツボ火山が大噴火しましたが、その煙はあまりに勢いが強かったので、成層圏にまで一気に入りこみました。火山から出された煙は、例えば、焼き芋を焼くような小さなたき火と違って、硫黄化合物を含んでいます。硫黄化合物といわれても、なかなかピンとこないかもしれませんが、温泉などで卵が腐ったような匂いをかいだことがあると思います。あの匂いの原因が、硫黄です。

火山の煙には、硫黄化合物のほか、小さな塵やほこりが大量に含まれているので、それらが成層圏のオゾンを壊してしまうことも分かっています。成層圏オゾンに影響するのは、人工的なガスだけではなく、火山のような自然現象もあるというわけです。