22. 春にできたオゾンの穴はどうやって元に戻るの?

水道やガスの工事をするために、道路に穴をほって工事をして いるのをみたことがありますよね? もちろん、工事が終わったら、その穴を土で埋めてしまえば元通りです。でも、春に成層圏のオ ゾンに穴があいてしまったのなら、どうして夏には元通りになるんでしょうか? さすがに、誰かがオゾンをたくさん作って穴をふさいでいる、なんてことはありませんよ。

南極や北極の成層圏にあるオゾンは、春に減ってしまいますが、地球の空気の流れによって運ばれてくるオゾンによって自然に“埋め合わせ”されているのです。13 番で説明したように、主に赤道付近の上空で作られた、たくさんのオゾンが届くのです。また、春から夏になるにつれて、オゾンホールを作ってしまう化学反応も起こりにくくなります。こうして、例えば南極のオゾンホールは 9 月から 10 月に大きくなりますが、12 月ぐらいには見えなくなるのです。

とはいっても、現在起こっているオゾンの減少は、昔から起っていたのではなくて、つい最近になって発生するようになった異常な出来事であることは明らかですから、オゾン層を守る努力が必要なことに変わりはありません。