50. 「オゾン予報」って?

みなさんの中で、天気予報を知らない人はいないでしょう。明日は、晴れるのか、雨が降るのか? どこかに旅行にいく前の日などは、特に気になるものです。

そんな“普通”の天気予報に加えて、光化学スモッグの発生を予報で教えてくれたら、便利ですね。なぜなら、何度も書いてきましたように、オゾンや二酸化窒素は私たち人間も含めた生物にとって有害だからです。そこで最近、光化学スモッグの発生を予想したり、スモッグの原因となる物質が、日本国内の都市だけではなく、はるか西にある中国大陸から運ばれてくる様子を予報する、「化学天気予報」の研究が進められています。

近い将来、これまで見なれた気圧配置や風速の天気図に加えて、「化学天気図」なんていうのも、テレビで見られる日がやってくることでしょう。

宇宙地球環境研究所による北海道陸別町でのオゾン層観測。オゾン層を壊す作用をする、塩素や窒素などの化合物濃度を測定しています。屋上に取り付けられている塔(上の写真の左側)から入って来た太陽の光を、観測所内にある装置(下)で調べています。

名古屋大学宇宙球環境研究所の陸別総合観測所と母子里観測所が観測した、大気中の一酸化炭素の濃度の変化。季節ごとに規則的に変化しています。