●ADVERSARIA 2008

1/3:野辺山から新しい受信機での試験観測結果が届いたのですが、なかなか圧巻です。今月の韓国と4月のオランダで世界に発表する機会がありますが、他国に一歩先んじた成果になるでしょうか。


1/18:二泊三日で韓国のヨンセイ大学に出張し、8th Workshop on Submillimeter-Wave Receiver Technologies in Eastern Asia に参加・口頭講演をしました。


1/25:大阪府立大学で行われた第8回ミリ波・サブミリ波受信機ワークショップに参加し、プロジェクトの進捗に関するセッションで45m望遠鏡の新しい受信機開発について発表しました。



2/18:野辺山に出張し、私が開発した新しい受信機が使われている共同利用観測に参加させてもらいました。オリオン座分子雲をターゲットにした星間化学的な分子輝線探査とのことです。


2/15:今月は、博士論文の仕上げと公聴会の準備を進めつつ、傍らで新受信機の較正装置の開発をやっています。モータスライダを LabVIEW で書いたプログラムで動作させることに成功しました。


2/29:博士論文の口頭発表審査会(公聴会)がありました。夕方には、無事に審査を通過して学位授与が認められたことが分かり、小淵沢で買っておいた純米大吟醸酒「歓びの涙」を開けました。



3/12:野辺山談話会があり、そこで博士論文の研究成果について発表させてもらいました。開発の話なので、技術職員の方々がちらほら来られていました。


3/24:学位授与式に出席しました。これが、人生で最後の卒業式です。博士課程の修了者は、学長から壇上で一人ずつ学位記が授与されました。これで、本当に理学の「博士」になったわけです。


3/27:渋谷にある「国立オリンピック記念青少年総合センター」で行われた天文学会に三日間参加・発表しました。東京は、桜が見頃になってきました。


3/29:この3月で、5年間行われてきた特定領域研究「サブミリ波の宇宙(代表:福井康雄)」が終了するのですが、その総括の研究会が名古屋大学で行われたので、参加・発表してきました。


3/31:野辺山45m鏡用の新しい受信機について書いた主著の英語論文がPublications of the Astronomical Society of Japan誌に受理されました。



4/1:大学院の課程を修了して博士になっても職に就けるわけではなく、今日からAstronomer Candidateとしての生活が始まりました。ポスドクとして修業し、permanentの研究職を目指します。


4/16:最近は、毎週火曜日の45m望遠鏡メンテナンスに合わせて、日帰りで野辺山出張をしています。100GHz帯2SB受信機の共同利用公開に向けての開発を引き続き行っています。



5/2:4/27に出発したオランダ出張から帰国しました。今回は、19th International Symposium on Space Terahertz Technologyという国際会議に参加・発表してきました。


5/20:リスクシェアでオープンされた45m鏡用の受信機の開発が続いています。「自分が観測する機材は、自分で作る」というのを信条にやっていることですから、僕だって使いたい!


5/30:私事ですが、10回目となる自宅の引越しをしました。千葉から関西に出てきて10年目。小さい頃神戸で過ごした日を加えると、人生のおよそ半分を京都・大阪・神戸で過ごしたことになります。



6/1:プライベートでお台場の科学未来館に行ってきました。ハコモノの画一的な施設がはびこる中にあって、「科学」を伝えようとする視点の違いが感じられたのは、興味深かったです。


6/24:三鷹で行われた「第四回星形成ワークショップ」に参加・発表しました。東大の先生から最新の観測成果がメールで届き、急遽ビューグラフを差し替えたりして、臨場感があったと思います。


6/30:今日から東京・三鷹出張ですが、今回の出張日程は、無期限。電磁界解析ソフトを使いこなせるようになることと、それを使って新しいコンポーネントを設計するのが、今回の主たる仕事です。



7/31:この一カ月は三鷹に缶詰めでしたが、所属としては修了後も4カ月お世話になった府大からいよいよ異動することになり、歓送会としてたこ焼きパーティーをやっていただきました。



8/1:自分の車で研究室の荷物の引越しをして、今日から国立天文台野辺山宇宙電波観測所に勤務することになりました。初日からユーザーズミーティングに参加・発表しました。


8/15:今月も引き続き三鷹に缶詰めになって、電磁界解析をやっています。偏波分離器の設計をやっているのですが、結構良い性能まで追い込んできました。


8/23:野辺山宇宙電波観測所の公開日にスタッフとして参加しました。これまでは、世界最小の電波望遠鏡である「60cm望遠鏡」でしたが、今年は野辺山の御本尊である「45m望遠鏡」の担当です。



9/5:毎日10時間ぐらいの解析を丸2ヵ月続けて、ようやく目標の性能が出てくれました。これで図面を描いて、ようやく発注できそうです。デスクに張り付いていたので、目・肩・腰が非常に疲れました…。


9/13:岡山理科大学で行われた天文学会に参加・発表してきました。二日目午後の「地上観測機器」のセッションは、ALMA関連一色という感じでした。


9/24:仕事用の新しい PC が届きました。今回は、富士通のFMV。これまでのモニタは17インチだったので、22ワイドというのは、かなり大きく見えます。これは、図面描きやポスター作りも快適そうです。



10/2:今シーズンも60cm望遠鏡の立ち上げが始まりました。お隣の府大1.85m望遠鏡も今日から本格的に立ち上げ作業が始まりました。ファーストライトに向けて頑張っているようです。


10/21:観測所内で観望会が行われました。タカハシのTSC-225+EM-200、FC-100+EM-10、Nikon20x120双眼鏡というラインナップ。木星、M31、二重星団、アルビレオ、M45を巡りました。


10/30:45m鏡の受信機の10年以上昔の資料を出してもらいました。いつの日か、新しい受信機も「これは中島っていう人が作ったのか」と呟かれる日が来るのだろう、なんてことを考えたりして。



11/13:研究者は、あるとき「開眼」して、一人前の研究者になるそうです。何をしたら良いのかモヤモヤしていたものが、突如スーッと晴れて、研究上の課題や目標がくっきりと見えるようになるとのこと。



12/24:夏に三鷹で設計していた偏波分離器が納品されました。初めて自分で設計開発をやった高周波コンポーネントということになりますので、手にする気持ちも今までとはちょっと違います。


12/25:ALMA Test Facilityで使われた受信機(百式)が帰ってきました。この受信機の開発は、僕が大学院に入ってほとんど初めてやったお仕事でして、約5年ぶりの再会です


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