●ADVERSARIA 2009

1/7:仕事初めは三鷹出張。先月納品された新しい偏波分離器の性能を先端技術センターのネットワークアナライザをお借りして、測定してきました。一人では大変で、12時間もかかりました。


1/16:大阪市にある府大の中之島サテライトで「第9回ミリ波・サブミリ波受信機ワークショップ」が行われ、参加・発表をしてきました。


1/26:今後の研究方針についての話をしていた時に、かなり有益な助言をもらいました。言ってくれた方にとっては、何気ない一言だったのだろうけど、僕の頭の中で何かが音を立てたような気がしました。



2/13:二週間、古巣の大阪府大に出張し、実験室をお借りして超伝導ミクサの性能測定をやってきました。


2/19:修論研究で開発した2SB受信機は、60cm望遠鏡での銀河面一酸化炭素同位体分子サーベイ観測で、現在大活躍中です。


2/26:銀河系近傍にある系外銀河の化学組成探査という、これまで僕が関わったことのない分野の研究が今日からスタートしました。僕が開発した新しい受信機で行われるレガシープロジェクトです。



3/3:今年は「世界天文年」です。ガリレオが初めて望遠鏡を夜空に向けた年から、今年で400年だそうです。折しも日本では、7月22日に46年ぶりの皆既日食が起こります。


3/14:今晩は17:00〜25:00まで、45m望遠鏡で行われる共同利用観測のアシスタントに入ります。観測所から割り当てられた、初の仕事らしい仕事です。


3/27:大阪府立大学で行なわれた天文学会に参加・発表してきました。今回は、会場の建物が一箇所で、教室も2フロアに集中しているので、セッションを渡り歩くのが楽でした。


3/31:出張中に、現在新しく開発している受信機システム用のデュワー(真空冷凍容器)が納品されていました。これからまた、いろいろなことが動き出します。



4/17:国立天文台のメールニュース「アストロトピックス」に、僕も関わる研究成果が出ました(詳細はこちらのページで)。突然配信されてきたので、自分の名前が出ていることに驚いてしまいました。



5/23:ちょうど一年前の5月に行われたキックオフミーティングから開発を続けてきた「2ビーム・両偏波・2SB受信機」が、本日ファーストライトに成功しました!IRC+10216の12COを受けました。


5/26:新受信機でファーストライトに成功したことを"NRO速報"という所内のニュースに出しました。今回がNo.128ですが、No.127も我々のグループによる新受信機のファーストライトでした。



6/4:受信機2台の開発と、銀河の観測的研究を並行して、流石に手一杯という感じの今日この頃。図面描き、電磁界解析、評価実験、観測データ解析、論文執筆…と5人ぐらい自分の複製が欲しいです。


6/6:上野にある国立科学博物館に行ってきました。「ガリレオの天体観測から400年 宇宙の謎を解き明かす」という企画展をやっていて、電波天文学のブースで60cm望遠鏡が紹介されています。


6/16:超電導素子をミクサマウントに詰める作業をやりました。宇宙の研究がしたくて天文台に居るのに、望遠鏡ではなく顕微鏡を覗いているというのは、いつも不思議な気分になります。



7/4:国立天文台・三鷹で行われた「野辺山の四半世紀と電波天文学の将来ワークショップ」に参加し、次世代受信機システムの開発に関してポスター発表もました。


7/17:打ち合わせなどのため、母校である京産大に出張しました。最近はすっかり御無沙汰だったので、京都の風景に懐かしさを感じながら大学まで足を運びました。


7/23:プライベートで皆既日食を見るため、四泊五日で奄美大島まで行ってきました。皆既の瞬間は残念ながら曇りでしたが、何とも不思議で神秘的な雰囲気を味わいました。



8/6:毎年恒例となっている45m望遠鏡の観測実習があり、スタッフとして参加しました。対象は学部生で、観測の立案、実施、解析、議論と、電波天文の研究を一通り体験してもらいます。


8/22:野辺山の年に一度のお祭り日「特別公開で、今年も担当は45m望遠鏡で「望遠鏡ツアー」を行いました。昨年より400人も多い2704名の方が来所されたそうです。



9/10:望遠鏡を出して、皆で観望会をやりました。木星、アンドロメダ銀河、アルビレオ、アルマク、ドーナツ星雲、そして昇ってきた月齢21の月。望遠鏡3台と双眼鏡を出して、じっくり楽しみました。


9/11:2SB受信機のサイドバンド分離比を較正する装置について書いた主著の英語論文がJournal of Infrared, Millimeter and Terahertz Waves誌に受理されました。


9/16:山口大学で行われた天文学会に参加し、現在開発中の3台の100GHz帯2SB受信機の進捗を発表しました。野辺山から山口までは、長い乗換待ちもあって10時間もかかりました。


9/25:東京大学の小柴ホールで行われた宇宙電波懇談会シンポジウム「宇宙電波天文学の将来」に参加しました。今回は、ALMA さらに先の10〜20年先を見据えたプロジェクトについての議論でした。



10/20:2泊3日で大阪府大に出張しました。理学部棟が建て替わって実験室が引越したので、その立ち上げを手伝いました。研究室コロキウムで、現在の野辺山での開発研究の紹介もしました。


10/25:大阪市立東高校理数科が野辺山に研修に来たので、「現代の宇宙観と電波天文学」というタイトルで科学講演会を行いました。依頼されての講演はこれが初めてなので、ちょっと緊張しました。


10/30:実験室の立ち上げの続きと後輩への実験指導を頼まれて、またまた1泊2日で大阪府大に出張しました。懐かしのデュワーと測定装置群を使っての作業が始まりました。



11/18:3泊4日で中国の無錫(Wu-Xi)に出張し、Submillimeter Wave Receiver Technologies in Eastern Asiaという東アジア地域の受信機関係の国際会議に参加・発表しました。


11/20:初めて手掛けたミクサマウントが納品されました。多数のコンポーネントを限られたスペースに収めなければならない新マルチビーム受信機向けということで、可能な限り小型化しました。


11/22:川崎市青少年科学館に行ってきました。ここは、メガスター開発者の大平さんが、子供の頃から通っていたプラネタリウムだそうで、「メガスターII」が入っています。



12/05:東京国際フォーラムで開催中の「宙博(ソラハク)2009」に行ってきました。。"天文"というよりは、"宇宙開発"分野のイベントでしたが、思ったよりも会場が狭く、ちょっと物足りない感じがしました。


12/15:45m鏡新観測システムで信号を初めて受信することに成功しました。私が開発を担当した受信機のほか、IF変換器、A/D変換器、分光計から成り、それぞれ最新の技術を取り入れています。


12/18:三鷹で重力波検出器「TAMA300」という地下にある装置を見せてもらいました。地下トンネルに長く続く鉄管は、とても宇宙の観測と関りがあるなんて姿には見えません。


12/22:三鷹で行われたALMA User's Meetingに参加しました。大学院に入ったばかりの頃、受信機の開発で ALMA との関りが始まりましたが、いよいよここまでやってきたのだなぁ、という感じです。


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