13. 地磁気は地球の中心部でできているって本当?

地球の内部はおおまかに、地殻、マントル、核という部分にわかれていますが、地磁気は中心の核の中で発生しています。地球の自転や地震波の伝わり方の精密な観測などによって、核は外核と内核とにわけられることが知られています。内核は固体ですが、外核の部分はどろどろに流れるもの(流体)でできていると考えられます。地震波のP波(縦波)は外核の部分を伝わることができますが、S波(横波)は伝わることができないことからそのことがわかります。外核の中に複雑な流れがあって、その流れが電流を発生して、地磁気を作っている、つまり地球は大きな電磁石であると考えられています。外核の中では、複雑な流体の流れと複雑な磁場とがお互いに影響を及ぼしあっているというわけです。

こういう問題を数学的に扱う理論を、「ダイナモ理論」と呼びます。この理論に基づくコンピュータシミュレーションによって、地球磁場のもつ様々な性質を再現することができるようになりつつあります。

地球の内部構造。どこかで地震が発生すると、震源から地震の波が発生して、地球の内部を伝わって行きます。図の白い線はP波の伝わり方を示した者です。S波もこれと似たような経路を伝わりますが、外殻の中を伝わることはできません。