36. 磁気嵐ってなに?

読んで字のとおり、地球の磁場が乱れることを磁気嵐といいますが、実際上、磁気嵐と呼ぶにはある程度の大きさが必要です。いくら見事なオーロラが出て、世界中の磁場が変化しても、それだけでは磁気嵐とは言いません。

磁気嵐が進行中であるか否かは、オーロラでではなく、中低緯度の磁場の変化で決めます。赤道面を中心にして、地球を取り囲んで西向き電流が流れ(環電流と呼んでいます)、この電流は普段の地球の磁場と逆向きの磁場をつくるので、中低緯度で磁場を弱めます。このような状態が、少なくとも2~3日続いたら磁気嵐です。もちろん、このようなとき、高緯度では活発なオーロラが連続して舞います。ときには、昼間側でもオーロラを見ることができます。

つまり、厳密に言えば、「逆は真ならず」ということです。しかし、色のついた動きの速いすばらしいオーロラが何日も連続で出現したら、そのようなときはまず間違いなく磁気嵐のときでしょう。