生物と磁場

42. 磁場を感じる動物がいる? ―その1

磁場を感じる動物でもっとも広く知られているのは、伝書バトでしょう。つまり、伝書バトは頭部に磁気コンパスをもって、天気の悪い日でも夜でも、正しい方向を探っているということです。ハトにわざと度の合わないコンタクトレンズをはめたり、頭に磁場を乱すコイルをつけたりして意地悪な実験を繰り返し、ハトの帰巣性のナゾがだんだん解き明かされてきたというわけです。実際、ハトの脳にマグネタイト磁針があることも発見されています。

渡り鳥や航行性の魚類、イルカやクジラも、地球の磁場をセンサーとして使っていることが、だんだんわかってきました。これらの動物は、オーロラや磁気嵐で地球の磁場が乱れると、自分の行く方向を失ってしまうことになります。伝書バトレースは、磁気嵐が予報されているときには中止になります。