19. 地磁気はいつごろからあるの?

答えは、「地球ができたころから」です。と言っても、誰かが測定したわけではなく、地球の熱的な発達過程をもとに推定されているだけですが。

地球が誕生した直後は、中心の核は非常に高温で、全体が溶けていました。その中で、活発な熱対流運動が起こっていたため、強い磁場が生成されていたと考えられています。その後、地球全体が冷えて対流が弱まるにつれて地磁気も弱まってきましたが、内核ができると軽い元素が浮き上がるというメカニズムが働くために再び地磁気が強まりました。また、マントルの対流が活発な時代には、地磁気が比較的強かったとされています。このように、地磁気の強さは、地球全体の活動の度合いを反映しているともいえるでしょう。

内核ができたのは、今から20億年以上も前のことだと想像されていますが、正確にはわかっていません。カナダ、南アフリカ、オーストラリア、グリーンランドなどには、そのころの地磁気の性質が記録された岩石があり、最近これらの磁気を測定することによって、20~30億年も昔の地磁気の様子をある程度知ることができるようになってきました。しかし、まだ信頼できる測定例が少なく、この時代のことは、まだまだわからないことだらけというべきでしょう。