50. モノポールってなに?

磁石は、N極とS極とをもっていますね。砂鉄の実験を思い出すまでもなく、N極から出た磁力線はS極へ入ります。つまり、NS極がいつもペアで存在するということなのです。棒磁石を半分に割っても、そのそれぞれの半分の磁石に、またN極とS極がペアでできてしまいます。

しかし、本当にいつもそうなのでしょうか。N極だけ、あるいはS極だけ、単独で存在することは絶対にできないのでしょうか。電子はマイナスの電荷で、立派に単独で存在できるではないか、と考えたことはありませんか。

実は、まだ単独のN極やS極、つまりモノポール、が見つかったことはありませんが、絶対に存在しないということも証明されていません。モノポールができるには相当大きなエネルギーが必要なので、宇宙創世のときにつくられた可能性があり、宇宙のどこかをさまよっているのが、いつの日にか発見されるかも知れませんね。

磁石は北を指さない

1492 年スペインの港を出航し、西へ西へと航海したコロンブスがアメリカ大陸を発見したことは有名ですね。ところでコロンブスは、アメリカ大陸を発見しただけではなく、磁気コンパスが必ずしも地理上の北を指さないこと、しかもそのズレ(偏角といいます)が場所によって変わることも見つけました。

16-17 世紀になると、世界のいろいろな場所での偏角がわかってきました。ハレー彗星の発見で知られるハレー(イギリスの天文学者)は、偏角の世界地図をつくったことでも知られています。