22. 磁場と電磁波は違うの?
磁場とは、磁石や電流におよぶ力のことですが、電磁波というのは、空間を伝播する電場と磁場とで構成されている波のことです。どのように伝播するかというと、磁場の時間変化が電場を発生し、その電場の時間変化が磁場を発生するという連鎖が伝わるのです。
磁場の時間変化が電場を発生することを発見したのは、19世紀前半に活躍したイギリスのファラデーという人です。その後、同じくイギリスのマックスウェルという人が、電場の時間変化が磁場を発生することを含め、電場・磁場の法則を現在知られる電磁気学の4つの基礎方程式にまとめました。さらに1861年、この方程式を用いて、電磁波が伝播することを数学的に明らかにしました。そして、伝播の速度が真空中では光速に等しいこと、つまり、電磁波と光とは波長(周波数といってもいい)が違うだけで、実体は全く同じものであるということも示しました。
その後、1888年にドイツのヘルツが電磁波の存在を確認すると、1895年にはイタリアのマルコーニが無線電信に成功して、電磁波の利用は急速に広がりました。