33. 地磁気の日変化ってなに?

地磁気はさまざまな時間スケールで変化しています。数十年よりも長い時間スケールの変化は、地球の内部、すなわち外核のダイナモ作用によって発生しているものです。それよりも短いスケールの時間変化のほとんどは、地球の外側、すなわち電離圏や磁気圏に原因があります。地磁気の日変化は、1日周期の規則正しい変化で、英国のグラハムという人が発見しました。1722年のことです。日変化の様子が明瞭に見られるのは、太陽風の影響による擾乱(地磁気の乱れ)が小さな日なので、地磁気静穏日と呼ばれます。

静穏日の日変化の原因は、地表から100km以上の高さにある電離圏(大気の気体分子が一部電離して電気を帯びている領域)にあります。電離圏が、昼間は太陽からの放射で暖められ夜間は冷やされ、内部に風が発生すると、電離している気体も風と一緒に運ばれます。この電離気体の運動と地球磁場との相互作用によって、地球の外側から見て昼間の北半球で反時計回り、南半球で時計回りの大規模な渦電流ができます。この電流系は、常に太陽を向いている側に存在しますので、地表で地磁気の観測をしていると、毎日繰り返し電流系の下を通過することになります。この渦状の電流のつくる磁場が、地磁気の日変化です。

地磁気の日変化を説明する電離圏電流システム