15. 皆既日食はどうして起きるの?

皆既日食では、太陽が少しずつ欠けていくとともに、あたりが暗くなり、やがて太陽は姿を隠してしまいます。太陽がなくなってしまうのを見た昔の人は、どんなに驚いたことでしょう。日本の神話には、太陽の神様である天照大神が天の岩戸に隠れたために、世の中が真っ暗になり混乱してしまった、というお話がありますが、これは皆既日食から生まれたという説もあります。

月が太陽と地球の間にちょうど入ったとき、つまり、地球が月の影にすっぽり入ったとき、皆既日食が起きます。地球から見た太陽と月の見かけ上の大きさはほとんど同じなので、月が太陽をぴったり隠すことができるというわけ。太陽は月に比べて 400 倍も大きいのですが、400 倍も遠いところにあるので、このような関係が成り立つのです。面白いですね。

2009 年7 月22 日には、日本でも鹿児島県のトカラ列島・奄美大島で皆既日食が見られました。

ところで、皆既日食は、太陽の外側の大気であるコロナを調べるのに、非常に役に立ちます。太陽コロナは、太陽表面に比べてずっと暗いので、ふだんは見ることができません。でも、明るい太陽表面を月が隠してくれると、そのおかげで太陽コロナを見ることができるのです。太陽コロナはオーロラのふるさとです。