16. コロナはどうやって見るの?

コロナは非常に薄い大気です。皆既日食のとき、月に隠れた太陽の外側に、淡く広がるコロナを肉眼でも見ることができます。それでは、皆既日食のとき以外は、コロナを見ることはできな いのでしょうか。実は、いくつか見る方法があります。月の代わりに人工的な円盤を使って太陽を隠す工夫をした、コロナグラフという望遠鏡がその1 つ。それでも大気の散乱があると見づらいので、高い山の上に置かれたり、人工衛星に取りつけられたりします。

また、コロナは約 100 万度の高温のガスで、X 線を放射していますので、そのX 線を直接観測する方法もあります。そのようなX 線望遠鏡を使うと、太陽の縁の外側だけではなく、太陽全面のコロナの観測ができます。ただし、X 線望遠鏡は、人工衛星やロケットなどに取りつけられる必要があります。地球の大気は X 線を散乱/吸収しますので、太陽からのX 線を地表で観測することができないからです。

1997 年にシベリアで見られた皆既日食の写真。月に隠されて真っ黒になった円盤の外側に、淡い光が広がっています。これがコロナです。