38. 太陽風にも嵐はあるの?

太陽風は、いつも同じように吹いているわけではありません。でも、どうして速くなったり遅くなったりするのか、まだよく分っていません。太陽活動が活発になり、太陽に多くの黒点が現れたとします。ループ状に閉じた磁力線が太陽面を覆うと、太陽全面から、遅い風しか吹き出さなくなります。逆に、黒点が消え太陽活動が静かになると、25 で説明したコロナホールが、太陽表面の極域から中緯度にかけて広がってきます。コロナホールからは、磁力線が宇宙空間に伸び出しており、高速の太陽風が吹き出しています。

太陽活動が静かな時期にも、太陽の赤道付近には閉じた磁力線が残っているため、太陽の低緯度からは低速風が吹いています。このような太陽風の吹き出す様子は、太陽活動が静かな時期には、数ヶ月以上も安定しています。ところが、太陽面でフレアなどの爆発現象が起きると、密度の高い太陽風が 1000 km/秒を超す猛スピードで、惑星間空間を暴風のように吹き抜けることがあります。普段吹いている太陽風の後ろから、その速度を超す速度で暴風が襲いかかるので、暴風は衝撃波になります。